映画『の方へ、流れる』を観ました。
主演は唐田えりか、遠藤雄弥。
監督は竹馬靖具です。
スキャンダルで謹慎というか干されていた唐田えりかの復帰作です。
池袋シネマ・ロサSCREEN2(地下階)で観ました。
単館で1日1回の上映、観客は疎らでした。
結論から言うと、とても良かったです。
私は、2018年の『寝ても覚めても』が好きでした。
今回の作品も、ロケ地が永代橋周辺で、被っています。
おそらく、意識してそうしたのだろうと思います。
あの朝子の感じ、唐田えりかの独特の演技が帰ってきました。
無感情な棒読みで、1時間くらいで読める短編小説を、清澄白河の街を散歩しながら、そのまま朗読したような。
見慣れた風景、棒台詞、棒演技、音楽も無い。
そんな映画を古臭い映画館で観る。
たまにはいいものです、お勧めします。
作品の中に出て来た本、何だったのでしょう?
フランス文学の翻訳みたいなことを言っていましたが、引用はありません。
一瞬だけ表紙が映るのですが、映像が不鮮明で、タイトルはわかりません。
おそらく具体的には想定されていない、漠然とした本、という設定です。
欲を言えば、それを推測したいオタク心ってあるんでけれどね。
淡々と流れて、それほどのオチも無く終わるのだろうと思って観ていました。
しかし、ラストで「ああ、そう来たか」って、やられた感じがしました。
これ以上はネタバレになるので教えられません、ご自分でお確かめください(笑)
2022年11月23日
すずめの戸締まり2
前回記事【すずめの戸締まり1】では第一部感想編を書きました。
その続き、第二部では謎解き解説編を書きます。
この物語は、実在の地名や実際に起きた出来事を土台にして作られていますが、部分設定や、登場人物たちは、全てフィクションです。
なので、客観的な事実として特定できる物事もあれば、曖昧にボカされた部分もあります。いずれにせよ、とにかく謎が多い作品なのです。
新海監督が何をどこまで考えているのか知りませんが、あくまでも私の想像力による独自の解釈で、謎の辻褄を合わせていきます。
それでは、冒頭からラストまで、順を追って解説していきます。
ここから先は“ネタバレ解禁”になります。
第二部・謎解き解説編(ネタバレ有り)
冒頭シーンは鈴芽の夢(記憶)から始まります。
※あの夢は何なのか?
建物の上に船が載っている情景は、おそらく大槌町がモデルです。
2011年の東日本大震災による津波の被災地のどこかです。
鈴芽の実家は宮城県という設定ですが、宮城県から岩手県にかけての沿岸地域の複数の箇所のイメージを複合して、津波の被災地を幅広く想像させるような場所を想定していると考えらます。
そして、ここは現実の場所の風景ではなく、鈴芽の記憶の中の世界、常世(あの世)なのです。
常世とは、時空を超越して、遠い場所も、過去も未来も同時に繋がっている世界です。
理屈っぽく解釈するのならば、鈴芽が臨死体験に近いような状態で夢を見て迷い込んだ深層心理の世界です。
夢は個人個人の記憶ですが、もし、それらの夢が別次元の世界で繋がれば、集合的記憶のアーカイブになります。また、夢は深層心理を反映して、これから起きるであろう未来をも暗示するのです。
夢の中で、幼少期の鈴芽が誰かの姿を見て「お母さん」と言います。
そこに現れた髪の長い女性を、探していた自分のお母さんだと思ったようです。
その女性は、ぶかぶかの大きな靴を履いています。
白いロングコートを着ています。
後でわかることですが、それは草太の靴を履いて、草太のコートを着た、未来の鈴芽自身です。
まさに、鈴芽の夢は、過去の自分と未来の自分を同時に見ているのです。
次に、現在の鈴芽が住む岩戸家(環さんの家)からのシーンです。
※そこはどこなのか?
設定では、環の家は、宮崎県のどこかの港街です。
岩戸鈴芽は、元々母一人子一人で、その母親が亡くなって、母親の妹である岩戸環が引き取りました。
海辺の風景など、宮崎県の日南市がモデルになっているようです。
後のシーンで、この街の港からフェリーに乗って愛媛県に渡るので、それだと大分県の臼杵市の港になります。
その他に温泉街など、九州の複数個所のイメージを複合していますが、私の解釈では、古代律令国家の日向国(ヒュウガノクニ)を想定していると考えます。
日向国は、天孫降臨の神話の舞台になった場所とされています。
神話で、日向の高千穂峰に降り立った瓊瓊杵尊(ニニギニミコト)が、我が国の天皇の祖先とされる神様です。
そして、この地で、最初の天皇である神武天皇が誕生します。
次に自転車に乗った鈴芽が草太とすれ違うシーンです。
草太を見た鈴芽は「きれい」とつぶやきます。
※どうして鈴芽は草太に一目ぼれしてしまうのか?
冒頭の夢のシーンで、幼い鈴芽は、未来の鈴芽に出会っています。
幼少期からその夢を見ていたとするならば、その夢の中で、既に草太の姿も遠くに見ているはずです。
だから、その後のイケメンの人を探すシーンで「私、あなたとどこかで会ったことがあるような気が…」って言っていますね。
次に後戸から出てしまったミミズが倒れ込むのを防げず、地震が発生してしまうシーンです。
※この地震も、他の震災のように、実際にあった地震なのか?
映画のなかで発生してしまう地震は、唯一この地震だけです。
屋根瓦が落ちるくらいの、かなり強い揺れですが、建物が倒壊したり、津波が発生するほどではなく、人的被害は無いようです。
この作品が公開されたのは11月11日ですが、そのおよそ一か月前の10月2日に、この街のモデルになったとされる宮崎県の日南市で、震度5弱の地震が現実に発生しています。
もちろん偶然の出来事なのでしょう。
しかし、不思議な偶然であり、まるで地震予知かのようにも感じられてしまいます。
※ミミズって何なのか?
地下を走り、赤くて、大きくて、細長くて、両方が頭になっています。
その条件に当て嵌まるものといったら、東京メトロ丸ノ内線ですね(笑)
次に鈴芽の家で草太が三本足の椅子に変えられてしまうシーンです。
※なぜ三本足なのか?
初代天皇である神武天皇は、大和の国を目指して、東に向けて旅立ちます。
その道案内役をしたのが八咫烏とされています。
八咫烏とは、天照大神の遣いであり、三本足のカラスの姿をしています。
つまり、足が三本なのは、大神の遣いとして、旅の道案内役をさせられるという事です。
宗像草太は、天皇に仕えた豪族の宗像氏の末裔と考えられます。
神話では、高天原で生まれた三柱の女神が、天照大神の神勅を受けて、降臨したのが、九州北部(福岡県)の宗像の地であることから『宗像三女神』と呼ばれるようになりました(『古事記』には胸形と記されている)。
大国主神と宗像三女神の多紀理毘売命の間の子であるアヂスキタカヒコネが八咫烏(やたがらす)とされています。
そして、八咫烏がなぜ三本足なのかというと、それは三柱鳥居の姿が転じたと考えられています。
つまり、草太は八咫烏の子孫であり、三柱鳥居のメタファーとして三本足の椅子の姿に変えられたのです。
次に草太を椅子に変え逃げた猫の名前がダイジンだとわかるシーンです。
※ダイジンという名前の意味は何なのか?
大神(オオミカミ)と書いてダイジンと読むのが素直な解釈でしょう。
ダイジンが大神であれば、それは宗教的な名称です。
しかし、ダイジンが大臣であるとするならば、それは政治的な名称になります。
何故そう考えるのかというと、この後にサダイジンという猫も現れるからです。
サダイジンになると、どうしても左大臣と書きたくなります。
もし、サダイジンが左大臣ならば、ダイジンは右大臣なのかも知れません。
歴史上有名な右大臣・左大臣といえば、菅原道真・藤原時平です。
右大臣の菅原道真は、左大臣の藤原時平の陰謀により、天皇の敵とみなされ、九州(大宰府)に飛ばされます。菅原道真は、死して怨霊となり、怨霊は京の都に飛び、数々の災いをもたらし、時平を呪い殺します。
道真の怨霊は、平将門として生まれ変わりますが、将門もまた天皇の敵とみなされ打ち首となります。
死して怨霊となった将門の首は、京の都から、常世の国と呼ばれいた現在の茨城県の方角に向かって飛びます、しかし、東京に落下します。
その場所(皇居大手門の東)に将門の首塚があります。
この物語の中では、ダイジンとサダイジンが対で要石になっているのですが、現実の要石がどこにあるかというと、茨城県と千葉県にあります。
将門が新皇になって独立国を目指した常世の国とは、現在の茨城県と千葉県北部地方です。
なので、現実の地名としての常世の国の、茨城県の鹿島神宮に凹の要石、千葉県の香取神社に凸の要石があるのです。
あるいは神社で考えるとわかり易い(シンプル)ですね。
草太が鳥居のメタファーならば、ダイジン、サダイジンは狛犬のメタファーです。
次に東京の後戸が開いてしまうシーンです。
※東京の後戸はどこなのか?
閉じ師の古文書に書かれた東京の後戸の位置の記述は黒塗りされて消されていました。
それは、世に知られてはいけないような特別な場所なのでしょう。
草太の家は風景描写から推測して、御茶ノ水の順天堂大学病院の西側、本郷一丁目付近です。
そこからすぐ近くにミミズが見えました。
鈴芽と草太は、順天堂大学病院の前の道、丸ノ内線御茶ノ水駅の前を通って聖橋に上がります。
そこから秋葉原側の神田川を見下ろすと、川の中を横断する丸ノ内線の鉄橋の東京駅側トンネルから、ミミズが湯島聖堂と神田明神の方向の空に向かって噴出しています。
丸ノ内線のトンネルの先を辿ると、淡路町駅と東京駅の間で地下鉄半蔵門線の大手町駅地下道と交わります。
大手町駅地下道は、皇居大手門の前から将門の首塚のすぐ脇を通っています。
この状況から、ミミズは、将門の首塚か、あるいは更に先の大手門の地下を通って皇居内から噴き出ていることになります。
ついに東京の要石が抜かれてしまうのですが、そんなことができるのはダイジンしかいません。
要石が無くなり、ミミズ全体が姿を現わします。
鈴芽が空に舞い上がり、要石になった草太をミミズに差し込みます。
そして、ミミズが消えて、空の上の鈴芽が落下します。
ダイジンが鈴芽の体を包み込むようにして落下したのは、おそらく皇居の北西側の竹橋の近くです。
気を失っていた鈴芽が地下空間で目を覚ますと、一瞬だけiPhoneの画面に位置情報が映ります。
おそらく竹橋の近くの清水濠の地下です。
そこから科学技術館の下を通り、代官町通り下の地下道に抜けます。
代官町通りは、古地図を見ると、明治時代まではお濠に繋がる水路で、現在の乾門の下まで通じていました。
明治21年の工事で、その水路に蓋をして、その上が代官町通りになりました。
従って、鈴芽は、乾門の下まで行って、その地下トンネルを通ったと考えられます。
その地下空間で乾門とよく似たデザインの門を発見します。
その門が東京の後戸です。
デザインや細部のディテールは乾門に似ていますが、乾門のほうがサイズが大きく、後戸のほうがやや小ぶりです。
全体的な感じは湯島聖堂の南門に似ているように思えます。
神田川からミミズが噴出していた正面にあるのが湯島聖堂の南門です。
後戸に鍵を掛けた鈴芽は半蔵濠まで戻ります。
半蔵濠に沿って首都高の千代田トンネルが走っています。
代官町通りと交わってすぐに、千鳥ヶ淵の脇から外に出ます。
出てすぐに細い鉄の階段があります。
さて、ここで矛盾するのが、乾門の位置と大手門の位置です。
皇居の西と東に離れています。
ミミズが乾門から噴き出したならば、鈴芽と同じように千代田トンネルから外に出てくるはずです。
なぜ本丸の地下を横断して東の大手門や首塚を通過して丸ノ内線のトンネルに抜ける迂回路を選んだのか?
皇居の地下には廃墟化した地下壕があります。
地下鉄半蔵門線は西の半蔵門駅から東の大手町駅まで、皇居の北を半周するルートで掘られました。
半蔵門駅からは、半蔵門前の濠を埋め立てた土手の通路に接続し、大手町駅からは大手門前の埋め立てた土手の通路に接続しています。
つまり、皇居の地下を、半蔵門から大手門まで横断する、秘密の地下トンネルが掘られているのではないか?という仮説が成り立つのです。
次にJR御茶ノ水駅前から、芹澤の車で東北地方に向けて走り出すシーンです。
※ドライビングミュージックがなぜ昭和歌謡なのか?
ユーミン、松田聖子、井上陽水…と、どれも曲それ自体は好きな曲なのですが、何故この映画でこの選曲をするんだろう?と思いながらも、井上陽水の『夢の中へ』の歌詞を聴いてみると「探し物はなんですか?」から始まり「夢の中へ行ってみたいと思いませんか?」と来ているじゃあ~りませんか。
これは、この旅の目的そのものを歌っているような歌詞です。
そう思って他の曲も聴いてみると「ママに叱ってもらう」とか家出の歌だし『スイートメモリーズ』は忘れていた記憶に時間が逆戻りする歌だし『卒業』は、草太も芹澤も大学を卒業するし「けんかをやめて~」とか、ストーリーに則した歌詞の選曲になっています。
次に鈴芽の実家に残された後戸の中に入ってからのシーンです。
※鈴芽の後戸とは何なのか?
これは、無かったことにしようと封印した自分の記憶に会いに来た、とうことです。
自分の心の扉を開くために、記憶の声を聞くために、それらを探しに、ここまで来たのです。
もう逃げようとせず、向き合って、受け入れて、それでも生きていく。
それをしに来たってことです(涙)
最後にラストシーンです。
※草太と鈴芽はどうなるのか?
鈴芽が草太を好きなことは間違いないです。
しかし、草太はどうなのか?芹澤とのBL説は本当なのか?
それはわからないですが、きっと大丈夫です。
なぜならば、閉じ師を家業として代々受け継いでいるならば、草太の子供が閉じ師を継がなければならないのです。
それが生物学的に草太の子供でなくてはならないのか、養子でもいいのか、そこまで厳密にはわかりませんが、神道の考え方からすると、天皇もそうですが、やはり血を受け継ぐ者が継承者になると思います。
あるいは、もしかしてもしかするとですが、草太と鈴芽は、血の繋がりがある(父親が同じ)かもしれません。
とりあえず以上です。
もし、ご質問があれば、どうぞコメントください。
とりあえず以上です。
もし、ご質問があれば、どうぞコメントください。
長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。
【追記】続きを読む
その続き、第二部では謎解き解説編を書きます。
この物語は、実在の地名や実際に起きた出来事を土台にして作られていますが、部分設定や、登場人物たちは、全てフィクションです。
なので、客観的な事実として特定できる物事もあれば、曖昧にボカされた部分もあります。いずれにせよ、とにかく謎が多い作品なのです。
新海監督が何をどこまで考えているのか知りませんが、あくまでも私の想像力による独自の解釈で、謎の辻褄を合わせていきます。
それでは、冒頭からラストまで、順を追って解説していきます。
ここから先は“ネタバレ解禁”になります。
第二部・謎解き解説編(ネタバレ有り)
冒頭シーンは鈴芽の夢(記憶)から始まります。
※あの夢は何なのか?
建物の上に船が載っている情景は、おそらく大槌町がモデルです。
2011年の東日本大震災による津波の被災地のどこかです。
鈴芽の実家は宮城県という設定ですが、宮城県から岩手県にかけての沿岸地域の複数の箇所のイメージを複合して、津波の被災地を幅広く想像させるような場所を想定していると考えらます。
そして、ここは現実の場所の風景ではなく、鈴芽の記憶の中の世界、常世(あの世)なのです。
常世とは、時空を超越して、遠い場所も、過去も未来も同時に繋がっている世界です。
理屈っぽく解釈するのならば、鈴芽が臨死体験に近いような状態で夢を見て迷い込んだ深層心理の世界です。
夢は個人個人の記憶ですが、もし、それらの夢が別次元の世界で繋がれば、集合的記憶のアーカイブになります。また、夢は深層心理を反映して、これから起きるであろう未来をも暗示するのです。
夢の中で、幼少期の鈴芽が誰かの姿を見て「お母さん」と言います。
そこに現れた髪の長い女性を、探していた自分のお母さんだと思ったようです。
その女性は、ぶかぶかの大きな靴を履いています。
白いロングコートを着ています。
後でわかることですが、それは草太の靴を履いて、草太のコートを着た、未来の鈴芽自身です。
まさに、鈴芽の夢は、過去の自分と未来の自分を同時に見ているのです。
次に、現在の鈴芽が住む岩戸家(環さんの家)からのシーンです。
※そこはどこなのか?
設定では、環の家は、宮崎県のどこかの港街です。
岩戸鈴芽は、元々母一人子一人で、その母親が亡くなって、母親の妹である岩戸環が引き取りました。
海辺の風景など、宮崎県の日南市がモデルになっているようです。
後のシーンで、この街の港からフェリーに乗って愛媛県に渡るので、それだと大分県の臼杵市の港になります。
その他に温泉街など、九州の複数個所のイメージを複合していますが、私の解釈では、古代律令国家の日向国(ヒュウガノクニ)を想定していると考えます。
日向国は、天孫降臨の神話の舞台になった場所とされています。
神話で、日向の高千穂峰に降り立った瓊瓊杵尊(ニニギニミコト)が、我が国の天皇の祖先とされる神様です。
そして、この地で、最初の天皇である神武天皇が誕生します。
次に自転車に乗った鈴芽が草太とすれ違うシーンです。
草太を見た鈴芽は「きれい」とつぶやきます。
※どうして鈴芽は草太に一目ぼれしてしまうのか?
冒頭の夢のシーンで、幼い鈴芽は、未来の鈴芽に出会っています。
幼少期からその夢を見ていたとするならば、その夢の中で、既に草太の姿も遠くに見ているはずです。
だから、その後のイケメンの人を探すシーンで「私、あなたとどこかで会ったことがあるような気が…」って言っていますね。
次に後戸から出てしまったミミズが倒れ込むのを防げず、地震が発生してしまうシーンです。
※この地震も、他の震災のように、実際にあった地震なのか?
映画のなかで発生してしまう地震は、唯一この地震だけです。
屋根瓦が落ちるくらいの、かなり強い揺れですが、建物が倒壊したり、津波が発生するほどではなく、人的被害は無いようです。
この作品が公開されたのは11月11日ですが、そのおよそ一か月前の10月2日に、この街のモデルになったとされる宮崎県の日南市で、震度5弱の地震が現実に発生しています。
もちろん偶然の出来事なのでしょう。
しかし、不思議な偶然であり、まるで地震予知かのようにも感じられてしまいます。
※ミミズって何なのか?
地下を走り、赤くて、大きくて、細長くて、両方が頭になっています。
その条件に当て嵌まるものといったら、東京メトロ丸ノ内線ですね(笑)
次に鈴芽の家で草太が三本足の椅子に変えられてしまうシーンです。
※なぜ三本足なのか?
初代天皇である神武天皇は、大和の国を目指して、東に向けて旅立ちます。
その道案内役をしたのが八咫烏とされています。
八咫烏とは、天照大神の遣いであり、三本足のカラスの姿をしています。
つまり、足が三本なのは、大神の遣いとして、旅の道案内役をさせられるという事です。
宗像草太は、天皇に仕えた豪族の宗像氏の末裔と考えられます。
神話では、高天原で生まれた三柱の女神が、天照大神の神勅を受けて、降臨したのが、九州北部(福岡県)の宗像の地であることから『宗像三女神』と呼ばれるようになりました(『古事記』には胸形と記されている)。
大国主神と宗像三女神の多紀理毘売命の間の子であるアヂスキタカヒコネが八咫烏(やたがらす)とされています。
そして、八咫烏がなぜ三本足なのかというと、それは三柱鳥居の姿が転じたと考えられています。
つまり、草太は八咫烏の子孫であり、三柱鳥居のメタファーとして三本足の椅子の姿に変えられたのです。
次に草太を椅子に変え逃げた猫の名前がダイジンだとわかるシーンです。
※ダイジンという名前の意味は何なのか?
大神(オオミカミ)と書いてダイジンと読むのが素直な解釈でしょう。
ダイジンが大神であれば、それは宗教的な名称です。
しかし、ダイジンが大臣であるとするならば、それは政治的な名称になります。
何故そう考えるのかというと、この後にサダイジンという猫も現れるからです。
サダイジンになると、どうしても左大臣と書きたくなります。
もし、サダイジンが左大臣ならば、ダイジンは右大臣なのかも知れません。
歴史上有名な右大臣・左大臣といえば、菅原道真・藤原時平です。
右大臣の菅原道真は、左大臣の藤原時平の陰謀により、天皇の敵とみなされ、九州(大宰府)に飛ばされます。菅原道真は、死して怨霊となり、怨霊は京の都に飛び、数々の災いをもたらし、時平を呪い殺します。
道真の怨霊は、平将門として生まれ変わりますが、将門もまた天皇の敵とみなされ打ち首となります。
死して怨霊となった将門の首は、京の都から、常世の国と呼ばれいた現在の茨城県の方角に向かって飛びます、しかし、東京に落下します。
その場所(皇居大手門の東)に将門の首塚があります。
この物語の中では、ダイジンとサダイジンが対で要石になっているのですが、現実の要石がどこにあるかというと、茨城県と千葉県にあります。
将門が新皇になって独立国を目指した常世の国とは、現在の茨城県と千葉県北部地方です。
なので、現実の地名としての常世の国の、茨城県の鹿島神宮に凹の要石、千葉県の香取神社に凸の要石があるのです。
あるいは神社で考えるとわかり易い(シンプル)ですね。
草太が鳥居のメタファーならば、ダイジン、サダイジンは狛犬のメタファーです。
次に東京の後戸が開いてしまうシーンです。
※東京の後戸はどこなのか?
閉じ師の古文書に書かれた東京の後戸の位置の記述は黒塗りされて消されていました。
それは、世に知られてはいけないような特別な場所なのでしょう。
草太の家は風景描写から推測して、御茶ノ水の順天堂大学病院の西側、本郷一丁目付近です。
そこからすぐ近くにミミズが見えました。
鈴芽と草太は、順天堂大学病院の前の道、丸ノ内線御茶ノ水駅の前を通って聖橋に上がります。
そこから秋葉原側の神田川を見下ろすと、川の中を横断する丸ノ内線の鉄橋の東京駅側トンネルから、ミミズが湯島聖堂と神田明神の方向の空に向かって噴出しています。
丸ノ内線のトンネルの先を辿ると、淡路町駅と東京駅の間で地下鉄半蔵門線の大手町駅地下道と交わります。
大手町駅地下道は、皇居大手門の前から将門の首塚のすぐ脇を通っています。
この状況から、ミミズは、将門の首塚か、あるいは更に先の大手門の地下を通って皇居内から噴き出ていることになります。
ついに東京の要石が抜かれてしまうのですが、そんなことができるのはダイジンしかいません。
要石が無くなり、ミミズ全体が姿を現わします。
鈴芽が空に舞い上がり、要石になった草太をミミズに差し込みます。
そして、ミミズが消えて、空の上の鈴芽が落下します。
ダイジンが鈴芽の体を包み込むようにして落下したのは、おそらく皇居の北西側の竹橋の近くです。
気を失っていた鈴芽が地下空間で目を覚ますと、一瞬だけiPhoneの画面に位置情報が映ります。
おそらく竹橋の近くの清水濠の地下です。
そこから科学技術館の下を通り、代官町通り下の地下道に抜けます。
代官町通りは、古地図を見ると、明治時代まではお濠に繋がる水路で、現在の乾門の下まで通じていました。
明治21年の工事で、その水路に蓋をして、その上が代官町通りになりました。
従って、鈴芽は、乾門の下まで行って、その地下トンネルを通ったと考えられます。
その地下空間で乾門とよく似たデザインの門を発見します。
その門が東京の後戸です。
デザインや細部のディテールは乾門に似ていますが、乾門のほうがサイズが大きく、後戸のほうがやや小ぶりです。
全体的な感じは湯島聖堂の南門に似ているように思えます。
神田川からミミズが噴出していた正面にあるのが湯島聖堂の南門です。
後戸に鍵を掛けた鈴芽は半蔵濠まで戻ります。
半蔵濠に沿って首都高の千代田トンネルが走っています。
代官町通りと交わってすぐに、千鳥ヶ淵の脇から外に出ます。
出てすぐに細い鉄の階段があります。
さて、ここで矛盾するのが、乾門の位置と大手門の位置です。
皇居の西と東に離れています。
ミミズが乾門から噴き出したならば、鈴芽と同じように千代田トンネルから外に出てくるはずです。
なぜ本丸の地下を横断して東の大手門や首塚を通過して丸ノ内線のトンネルに抜ける迂回路を選んだのか?
皇居の地下には廃墟化した地下壕があります。
地下鉄半蔵門線は西の半蔵門駅から東の大手町駅まで、皇居の北を半周するルートで掘られました。
半蔵門駅からは、半蔵門前の濠を埋め立てた土手の通路に接続し、大手町駅からは大手門前の埋め立てた土手の通路に接続しています。
つまり、皇居の地下を、半蔵門から大手門まで横断する、秘密の地下トンネルが掘られているのではないか?という仮説が成り立つのです。
次にJR御茶ノ水駅前から、芹澤の車で東北地方に向けて走り出すシーンです。
※ドライビングミュージックがなぜ昭和歌謡なのか?
ユーミン、松田聖子、井上陽水…と、どれも曲それ自体は好きな曲なのですが、何故この映画でこの選曲をするんだろう?と思いながらも、井上陽水の『夢の中へ』の歌詞を聴いてみると「探し物はなんですか?」から始まり「夢の中へ行ってみたいと思いませんか?」と来ているじゃあ~りませんか。
これは、この旅の目的そのものを歌っているような歌詞です。
そう思って他の曲も聴いてみると「ママに叱ってもらう」とか家出の歌だし『スイートメモリーズ』は忘れていた記憶に時間が逆戻りする歌だし『卒業』は、草太も芹澤も大学を卒業するし「けんかをやめて~」とか、ストーリーに則した歌詞の選曲になっています。
次に鈴芽の実家に残された後戸の中に入ってからのシーンです。
※鈴芽の後戸とは何なのか?
これは、無かったことにしようと封印した自分の記憶に会いに来た、とうことです。
自分の心の扉を開くために、記憶の声を聞くために、それらを探しに、ここまで来たのです。
もう逃げようとせず、向き合って、受け入れて、それでも生きていく。
それをしに来たってことです(涙)
最後にラストシーンです。
※草太と鈴芽はどうなるのか?
鈴芽が草太を好きなことは間違いないです。
しかし、草太はどうなのか?芹澤とのBL説は本当なのか?
それはわからないですが、きっと大丈夫です。
なぜならば、閉じ師を家業として代々受け継いでいるならば、草太の子供が閉じ師を継がなければならないのです。
それが生物学的に草太の子供でなくてはならないのか、養子でもいいのか、そこまで厳密にはわかりませんが、神道の考え方からすると、天皇もそうですが、やはり血を受け継ぐ者が継承者になると思います。
あるいは、もしかしてもしかするとですが、草太と鈴芽は、血の繋がりがある(父親が同じ)かもしれません。
とりあえず以上です。
もし、ご質問があれば、どうぞコメントください。
とりあえず以上です。
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長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。
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posted by eno at 18:58| 映画
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2022年11月22日
すずめの戸締まり1
アニメーション映画『すずめの戸締まり』を観ました。
第一部は感想編を、第二部は謎解き解説編を書きます。
未だ観ていない人でも、どんな作品なのか?については、少しくらいは知っていると思いますので、説明は省きます。
公開初日の2022年11月11日(金)から、数日後。
劇場はTOHOシネマズ日比谷、スクリーン4・IMAXレーザー。
座席はE列16・17で鑑賞しました。
ベストポジションエリア内では最も前方の位置になります。
『すずめの戸締まり』は、IMAXのアスペクト比に対してはフルサイズではなく、上下がほんの少し余っています。なので、TOHOシネマズ日比谷だったら、IMAXよりも横幅が大きいスクリーン1で鑑賞するという選択肢もあります。
スクリーン1TCXはサウンドシステムがIMAXと同等のドルビーアトモスで、通常料金で観られます(IMAXは追加料金が必要)。
しかし、画質の綺麗さ、座席の見易さなど、総合的にIMAXが優れています。
『すずめの戸締まり』は、地震をテーマにしているので、特に、地響きのような振動を感じる重低音による音響効果の表現も重要です。
実は、関東地方でやや大きな地震があり、上映中に揺れを感じたのですが、演出なのか現実なのかわからなくなって、常世の扉が開いてしまったような不思議な感覚になりました。
夢のような時間を過ごして映画館の外に出ると、イルミメーションが出迎えてくれました。
パンフレットは、もれなく全員に貰えます。
これは嬉しいですね、新海監督、どうもありがとうございます。
第一部・感想編(ネタバレ無し)
ストーリーは、決して難解なものではありませんが、ある程度の基礎知識も必要です。
皇居とその周辺の地理や歴史に詳しいと、よく解ります。
新海監督作品なので、鉄道要素はお約束です。
風土記や神話の知識もあるといいです。
過去の映画作品『帝都物語』や『陰陽師』を観ていると参考になります。
恋愛要素は、期待していたよりも薄めでした。
この物語は、主人公の少女(鈴芽)自身の心の中の物語です。
物語(フィクション)の設定では、あの世とこの世を繋ぐ扉があって、そこを行き来できることになっています。あの世には、災いの原因になるミミズがいて、扉を通ってこの世に出てきてしまうと、地震が起きるのです。
しかし、現実に地震が起きる原因は、そんな非科学的な理由ではありません。
このようなフィクションは、心の中の物語を比喩的に表現しています。
人の心(精神)には、顕在的な意識と、潜在的な意識があります。
潜在意識には、隠された扉があり、その奥に封印された記憶が眠っています。
封印された記憶とは、自分自身にとっての災い(トラウマ)なのです。
それが、顕在意識に流れ出てくることを、フラッシュバックなどといいます。
だから、思い出さないように、蓋をして、重しを置いて、無かったことにしようとするのです。
だけど、封じ込めた地下のエネルギーは、消えて無くなることはありません。
自分自身で扉を開け、それらを解放しなければなりません。
自分自身と向き合い、運命を受け入れて生きていかなければならないのです。
ラストは涙なくして見られません、観客全員が号泣でした(と思う)。
映像は、CGを多用しているので、動きはすごくよくて、細やかで、実写のような臨場感があります。
しかし、キャラクターなど、絵はこれまでよりも雑になっているように感じました。
劇中の挿入歌については、賛否が分かれるところだと思います。
演出効果としては成功しているのでしょう、刺さる人には刺さっているみたいです。
しかし、私的にはそれじゃない、もっとRADWIMPSのPVみたいなのが見たかったのです。
だから、ラストのテーマ曲が入って来るところは、めちゃ良かった(涙)
ネタバレ無しで書けるのはここまでです。
第二部の謎解き解説編ではネタバレ全開で深読み(読み過ぎ)解説を展開します。
次回『すずめの戸締まり2』に御期待ください。
第一部は感想編を、第二部は謎解き解説編を書きます。
未だ観ていない人でも、どんな作品なのか?については、少しくらいは知っていると思いますので、説明は省きます。
公開初日の2022年11月11日(金)から、数日後。
劇場はTOHOシネマズ日比谷、スクリーン4・IMAXレーザー。
座席はE列16・17で鑑賞しました。
ベストポジションエリア内では最も前方の位置になります。
『すずめの戸締まり』は、IMAXのアスペクト比に対してはフルサイズではなく、上下がほんの少し余っています。なので、TOHOシネマズ日比谷だったら、IMAXよりも横幅が大きいスクリーン1で鑑賞するという選択肢もあります。
スクリーン1TCXはサウンドシステムがIMAXと同等のドルビーアトモスで、通常料金で観られます(IMAXは追加料金が必要)。
しかし、画質の綺麗さ、座席の見易さなど、総合的にIMAXが優れています。
『すずめの戸締まり』は、地震をテーマにしているので、特に、地響きのような振動を感じる重低音による音響効果の表現も重要です。
実は、関東地方でやや大きな地震があり、上映中に揺れを感じたのですが、演出なのか現実なのかわからなくなって、常世の扉が開いてしまったような不思議な感覚になりました。
夢のような時間を過ごして映画館の外に出ると、イルミメーションが出迎えてくれました。
パンフレットは、もれなく全員に貰えます。
これは嬉しいですね、新海監督、どうもありがとうございます。
第一部・感想編(ネタバレ無し)
ストーリーは、決して難解なものではありませんが、ある程度の基礎知識も必要です。
皇居とその周辺の地理や歴史に詳しいと、よく解ります。
新海監督作品なので、鉄道要素はお約束です。
風土記や神話の知識もあるといいです。
過去の映画作品『帝都物語』や『陰陽師』を観ていると参考になります。
恋愛要素は、期待していたよりも薄めでした。
この物語は、主人公の少女(鈴芽)自身の心の中の物語です。
物語(フィクション)の設定では、あの世とこの世を繋ぐ扉があって、そこを行き来できることになっています。あの世には、災いの原因になるミミズがいて、扉を通ってこの世に出てきてしまうと、地震が起きるのです。
しかし、現実に地震が起きる原因は、そんな非科学的な理由ではありません。
このようなフィクションは、心の中の物語を比喩的に表現しています。
人の心(精神)には、顕在的な意識と、潜在的な意識があります。
潜在意識には、隠された扉があり、その奥に封印された記憶が眠っています。
封印された記憶とは、自分自身にとっての災い(トラウマ)なのです。
それが、顕在意識に流れ出てくることを、フラッシュバックなどといいます。
だから、思い出さないように、蓋をして、重しを置いて、無かったことにしようとするのです。
だけど、封じ込めた地下のエネルギーは、消えて無くなることはありません。
自分自身で扉を開け、それらを解放しなければなりません。
自分自身と向き合い、運命を受け入れて生きていかなければならないのです。
ラストは涙なくして見られません、観客全員が号泣でした(と思う)。
映像は、CGを多用しているので、動きはすごくよくて、細やかで、実写のような臨場感があります。
しかし、キャラクターなど、絵はこれまでよりも雑になっているように感じました。
劇中の挿入歌については、賛否が分かれるところだと思います。
演出効果としては成功しているのでしょう、刺さる人には刺さっているみたいです。
しかし、私的にはそれじゃない、もっとRADWIMPSのPVみたいなのが見たかったのです。
だから、ラストのテーマ曲が入って来るところは、めちゃ良かった(涙)
ネタバレ無しで書けるのはここまでです。
第二部の謎解き解説編ではネタバレ全開で深読み(読み過ぎ)解説を展開します。
次回『すずめの戸締まり2』に御期待ください。
posted by eno at 21:45| 映画
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2022年06月08日
トップガンマーヴェリック
『トップガンマーヴェリック』を観ました。
IMAXシアター、ベストポジションの席で観て参りました。
いつも通り、先に結論から言います。
条件として、IMAX字幕、中央の良い席で鑑賞するなら、超面白いです。
普通の劇場では面白さは減少すると思います(見比べてみるつもり)。
日本語吹き替えも、想像るにお勧めできません。
そして、この作品は、後でDVDで観たら全然面白くないと思います。
つまり、劇場の大画面で大音響で体験してこその作品です。
※ これより先はネタバレ注意
まず、オープニングは前作と同じテーマ曲で、前作をオマージュした導入です。
そこから、36年の時の経過を感じさせる最新型実験機ダークスターの試験飛行。
そしていきなり空中爆発するというハチャメチャな始まり方です(笑)
ここまでは、期待通りであり、期待以上に楽しませてもらったりしました。
さて、次の展開で、マーヴェリックはペニーという女性に出会います。
古い知り合いみたいで、偶然の再会のようです。
観ている私は「ペニーって誰だ?」ってなっているのですが、二人は当たり前のようにいいムードになっています。
この場面で観客の置いてきぼり感が半端ないです。
どうやら前作には出ていなかった、それ以前の元カノとの再会という設定みたいなのです。
前作は、マーヴェリックとチャーリー(ケリー・マクギリス)のラブストーリーがメインテーマでした。
続編でケリー・マクギリスの出演が無理なのはわかりますが、だったもう過去に遡る必要はないと思うのですが…
前作は、ジョルジオ・モローダーが音楽を担当していました。
『Take My Breath Away / 愛は吐息のように』歌うのはベルリン。
前作の魅力は、若いトム・クルーズのカッコよさ、ファッションや音楽です。
続編では、大人になったトム・クルーズをどう描くのか? と思って観ていたのですが、それは期待外れでした。
前作を踏襲しているだけで、トム・クルーズのカッコよさも、ファッションも音楽も、ぜんぜん成長していなくて、むしろ衰えて、作品的には前作に劣ります。
ハリウッドには変化があります。
最近のハリウッド作品は、男女平等、人種平等、LGBTQ、みたいなもを忖度して制作されています。
なので、主要登場人物の中に、必ず女性と黒人、あるいは東洋系を登場させます。
今回も、トップガンのパイロットに、女性と黒人がいます。通行人程度に東洋人も出てきました。お約束通りです。
しかし、義務的にキャスティングしているだけであって、物語の展開にはほとんど関係ないのです。
もし、私が脚本を書くのならば、ただ添え物のように女性を出しておくのではなくて、たとえば、エヴァンゲリオンの惣流・アスカ・ラングレー みたいな感じに描きます。
実力があって、破天荒で、周囲の男どもを見下すくらい強気で、前作のマーヴェリックとアイスマンを合わせたようなキャラです。
そして、そんな若い女の子が、年上の教官(マーヴェリック)を好きになる、っていうほうが、スリリングですよね。
しかし、マーヴェリックは惑わされない(大人だから)。
やっぱり、マーヴェリックはもう大人なんだから、バイクじゃなくてテスラとかに乗って欲しかったです。
まあいいか、カッコよかったら(笑)
後半の、オペレーション(作戦)ですが、谷間を飛行して、地下施設の排気口に爆弾を投入するって、スターウォーズ第一作目のデススターの攻撃と同じなんです。
そして、敵機に撃墜されて、敵陣内に落下して、そこから帰還するあたりから、ランボーみたいなんです。
コメディーなのか?って思うくらい、ツッコミどころ満載なのですが、それら全てを圧倒的な映像的迫力が凌駕します。
未だ観ていない方は、出来ればIMAXで観る事をお勧めしますが、少なくとも大スクリーンの劇場で、ドルビーサラウンドで、見ると言うより、体感してください。
難しいことを考えず、ただただ映像に没入して楽しんでください。
【追記】
挿入歌の中で特に印象に残った曲は、最初のドッグファイトのシーン流れた、The Whoの『Won't Get Fooled Again』
IMAXシアター、ベストポジションの席で観て参りました。
いつも通り、先に結論から言います。
条件として、IMAX字幕、中央の良い席で鑑賞するなら、超面白いです。
普通の劇場では面白さは減少すると思います(見比べてみるつもり)。
日本語吹き替えも、想像るにお勧めできません。
そして、この作品は、後でDVDで観たら全然面白くないと思います。
つまり、劇場の大画面で大音響で体験してこその作品です。
※ これより先はネタバレ注意
まず、オープニングは前作と同じテーマ曲で、前作をオマージュした導入です。
そこから、36年の時の経過を感じさせる最新型実験機ダークスターの試験飛行。
そしていきなり空中爆発するというハチャメチャな始まり方です(笑)
ここまでは、期待通りであり、期待以上に楽しませてもらったりしました。
さて、次の展開で、マーヴェリックはペニーという女性に出会います。
古い知り合いみたいで、偶然の再会のようです。
観ている私は「ペニーって誰だ?」ってなっているのですが、二人は当たり前のようにいいムードになっています。
この場面で観客の置いてきぼり感が半端ないです。
どうやら前作には出ていなかった、それ以前の元カノとの再会という設定みたいなのです。
前作は、マーヴェリックとチャーリー(ケリー・マクギリス)のラブストーリーがメインテーマでした。
続編でケリー・マクギリスの出演が無理なのはわかりますが、だったもう過去に遡る必要はないと思うのですが…
前作は、ジョルジオ・モローダーが音楽を担当していました。
『Take My Breath Away / 愛は吐息のように』歌うのはベルリン。
前作の魅力は、若いトム・クルーズのカッコよさ、ファッションや音楽です。
続編では、大人になったトム・クルーズをどう描くのか? と思って観ていたのですが、それは期待外れでした。
前作を踏襲しているだけで、トム・クルーズのカッコよさも、ファッションも音楽も、ぜんぜん成長していなくて、むしろ衰えて、作品的には前作に劣ります。
ハリウッドには変化があります。
最近のハリウッド作品は、男女平等、人種平等、LGBTQ、みたいなもを忖度して制作されています。
なので、主要登場人物の中に、必ず女性と黒人、あるいは東洋系を登場させます。
今回も、トップガンのパイロットに、女性と黒人がいます。通行人程度に東洋人も出てきました。お約束通りです。
しかし、義務的にキャスティングしているだけであって、物語の展開にはほとんど関係ないのです。
もし、私が脚本を書くのならば、ただ添え物のように女性を出しておくのではなくて、たとえば、エヴァンゲリオンの惣流・アスカ・ラングレー みたいな感じに描きます。
実力があって、破天荒で、周囲の男どもを見下すくらい強気で、前作のマーヴェリックとアイスマンを合わせたようなキャラです。
そして、そんな若い女の子が、年上の教官(マーヴェリック)を好きになる、っていうほうが、スリリングですよね。
しかし、マーヴェリックは惑わされない(大人だから)。
やっぱり、マーヴェリックはもう大人なんだから、バイクじゃなくてテスラとかに乗って欲しかったです。
まあいいか、カッコよかったら(笑)
後半の、オペレーション(作戦)ですが、谷間を飛行して、地下施設の排気口に爆弾を投入するって、スターウォーズ第一作目のデススターの攻撃と同じなんです。
そして、敵機に撃墜されて、敵陣内に落下して、そこから帰還するあたりから、ランボーみたいなんです。
コメディーなのか?って思うくらい、ツッコミどころ満載なのですが、それら全てを圧倒的な映像的迫力が凌駕します。
未だ観ていない方は、出来ればIMAXで観る事をお勧めしますが、少なくとも大スクリーンの劇場で、ドルビーサラウンドで、見ると言うより、体感してください。
難しいことを考えず、ただただ映像に没入して楽しんでください。
【追記】
挿入歌の中で特に印象に残った曲は、最初のドッグファイトのシーン流れた、The Whoの『Won't Get Fooled Again』
posted by eno at 17:00| 映画
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2022年04月30日
トップガン
公開時期が度々延期され、ついに5月27日から公開されることに決まった『トップガン・マーヴェリック』は、1986年公開の『トップガン』の続編映画です。
1986年『トップガン』は大ヒット映画になりました。
映像に感動したのはもちろん、音楽やファッションにも影響を受けました。
今でもずっと心に残り続ける素晴らしい映画です。
1986年ころは、旧ソ連軍によるアフガン侵攻が続いていました。
アフガニスタン駐留米軍は撤退し、ムジャヒディンがソ連軍と戦いました。
しかし、裏で米軍が支援していました。
また、同時期にイランとイラクが戦争をしていました。
イランを裏から支援していたのが旧ソ連軍で、イラクを裏から支援していたのが米軍です。
米ソ冷戦時代の代理戦争の構図です。
米軍が育てたムジャヒディンやイラク軍が、後のタリバンであり、アルカイダであり、現在のISILに至ります。
現在のプーチン政権軍によるウクライナ侵攻でも、ウクライナ軍を裏から米軍が支援しています。
まるで86年当時の再現ですね。
そしてまたそれを待っていたのようにトップガンの続編が公開されます。
映画『トップガン マーヴェリック』予告編。
素直に期待を裏切らずに期待以上の作品を願っています。
純粋に、この映画を観るのを楽しみにしています。
主題歌『ホールド マイ ハンド』レディ・ガガ。
Lady Gaga - Hold My Hand
歌詞・和訳
Hold my hand, everything will be okay
I heard from the heavens that clouds have been grey
Pull me close, wrap me in your aching arms
I see that you're hurtin'
Why'd you take so long to tell me you need me?
But if you decide to, I'll ride in this life with you
I won't let go tlil the end
I see that you're bleeding
You don't need to show me again
私の手を握ってください、すべてが大丈夫です
雲が灰色になっていると天から聞いた
私を引き寄せて、あなたの痛む腕で私を包んでください
私はあなたが傷ついているのを見る
なぜあなたは私が必要だと私に言うのにそんなに時間がかかったのですか?
しかし、あなたがそうすることを決定した場合、私はあなたと一緒にこの人生に乗ります
私は最後まで手放しません
出血しているようです
もう一度見せてもらう必要はありません
1986年『トップガン』は大ヒット映画になりました。
映像に感動したのはもちろん、音楽やファッションにも影響を受けました。
今でもずっと心に残り続ける素晴らしい映画です。
1986年ころは、旧ソ連軍によるアフガン侵攻が続いていました。
アフガニスタン駐留米軍は撤退し、ムジャヒディンがソ連軍と戦いました。
しかし、裏で米軍が支援していました。
また、同時期にイランとイラクが戦争をしていました。
イランを裏から支援していたのが旧ソ連軍で、イラクを裏から支援していたのが米軍です。
米ソ冷戦時代の代理戦争の構図です。
米軍が育てたムジャヒディンやイラク軍が、後のタリバンであり、アルカイダであり、現在のISILに至ります。
現在のプーチン政権軍によるウクライナ侵攻でも、ウクライナ軍を裏から米軍が支援しています。
まるで86年当時の再現ですね。
そしてまたそれを待っていたのようにトップガンの続編が公開されます。
映画『トップガン マーヴェリック』予告編。
素直に期待を裏切らずに期待以上の作品を願っています。
純粋に、この映画を観るのを楽しみにしています。
主題歌『ホールド マイ ハンド』レディ・ガガ。
Lady Gaga - Hold My Hand
歌詞・和訳
Hold my hand, everything will be okay
I heard from the heavens that clouds have been grey
Pull me close, wrap me in your aching arms
I see that you're hurtin'
Why'd you take so long to tell me you need me?
But if you decide to, I'll ride in this life with you
I won't let go tlil the end
I see that you're bleeding
You don't need to show me again
私の手を握ってください、すべてが大丈夫です
雲が灰色になっていると天から聞いた
私を引き寄せて、あなたの痛む腕で私を包んでください
私はあなたが傷ついているのを見る
なぜあなたは私が必要だと私に言うのにそんなに時間がかかったのですか?
しかし、あなたがそうすることを決定した場合、私はあなたと一緒にこの人生に乗ります
私は最後まで手放しません
出血しているようです
もう一度見せてもらう必要はありません
posted by eno at 15:55| 映画
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