2023年11月19日

ゴジラ-1.0

山崎貴監督作品、映画『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』を観ました。
公開は11月3日からで、私は11月9日に観ました。
感想を文章に纏めるまでに、2週間近く経ってしまいました。
結論から先に言うと、どなたにもおすすめ出来る、非常に良く出来た作品です。



私は、山崎貴監督の『always三丁目の夕日(2005~2012年)』シリーズが大好きです。
初期作品の『リターナー(2002年)』や、最近では『アルキメデスの対戦(2019年)』も好きです。
デビュー作の『ジュブナイル(2000年)』と『リターナー』を見返してみました。
当時、衝撃を受けたVFXのクオリティーは、今でも見劣りなく、十分に面白いです。

山崎監督は、ヒット作も多い一方で、マイナス評価も多い監督です。
映画を芸術と娯楽で分けるなら、山崎監督の作品は、いずれも後者です。
子供向けの作品が多く、大人が観ると、ちょっと稚拙に感じるものも多くあります。
また、いろんな映画のパクリ(どっかで見たような場面)も多い印象です。
今回のマイナスゴジラも、しっかりとオマージュ(パクリ)をやっています。
これはネタバレには入らないと思うので、あえてお伝えしておきます。
クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク(2017年)』をパクリまくってます(笑)



マイナスゴジラに関しては、ネタバレしたところで、マイナスにならないと思います。
そもそも観ていて先の展開が全部読めて、いい意味で読んだ通りに展開してオチます。
なので、むしろ潔くネタバレしてから観たほうが、より楽しめるかも知れません。
笑笑

ゴジラとは、どんな怪獣なのか?
ハリウッド版のゴジラや、シン・ゴジラが、ゴジラの定義を更新する中で、マイナスゴジラは、初代ゴジラ(1954年)の設定に戻っています。
その初代ゴジラも、実は1953年のアメリカ映画『原子怪獣現わる』のアイデアをパクっています。

全てのゴジラに共通するのは、原水爆の実験です。
ゴジラは戦争のメタファーであり、マイナスゴジラの銀座襲撃は、原爆投下のメタファーです。
広島の原爆資料館で見た、きのこ雲を下から見上げた写真を想起させました。

国対国の戦争は原爆投下で終わったのかもしれませんが、俺(個人)の戦争は終わりません。
仲間を殺され、愛する人を殺された事への、復讐心は、報復する事でしか終わりません。
それは、敵に対する憎しみよりも、仲間を見殺しにして逃げた、愛する人を守れなかった、そのような自分自身に対して決着を付けなければならない、先に進めない、という心の傷です。

主人公の敷島は、飛行機が故障したと嘘をついて特攻作戦から逃げ、ゴジラに対しても差し違える覚悟で攻撃できず、その場逃れをしてしまいます。
そうやって自分だけ助かって、仲間を犠牲にしてしまった罪悪感を抱えて帰国すると、東京は焼け野原で、両親は殺されていました。
隣のおばちゃんに、あんたたちが戦って守ってくれなかったからこうなったと責められます。
自分が戦わずに生き延びて戻って来た意味が瓦解します。

特攻作戦は、国の命令によって死ぬ事を強要された、人権(人命)を無視した作戦です。
それでは、自分の戦争ではなく、国の戦争に利用されているだけにすぎません。
それに対して、自分自身の戦争は、差し違えても敵を倒すという、個人的な戦う目的が生じるのです。

『アルキメデスの大戦』の冒頭で、撃墜された米軍機から米兵がパラシュートで脱出して、それを米軍水上艇が救出する場面があり、大和の搭乗員が唖然としてそれを見ています。
日本軍側の価値観だと「戦えば死ぬ」が当たり前だから、それを驚きの目で見ています。

戦闘機の脱出装置は、第二次世界大戦中に実用化したのは一部のドイツ軍機だけで、米軍機にもありません。
しかし、装置は無くても、自力で外に出てパラシュートで降下して助かったパイロットもいたようです。
要するに、アメリカ人は、脱出して生き延びるのを恥じとは思っていなかったけれど、日本人は生き恥を晒すと考えていたから脱出しなかったのです。
だから、日本軍にもパラシュートはありましたが、逃げる目的では使いません。

クライマックスに向けて登場させた幻の戦闘機『震電』にはときめきました。
もちろん、設計時には射出式脱出装置は装備されていません。
当時の日本には、まだその技術は無かったので、もし、脱出装置を取り付けたいのならば、ドイツ軍機(ハインケル)の操縦席を流用して取り付けるしかないだろうと思います。

キャスティングですが、浜辺美波はとても良かったです。
秋津の役は、佐々木蔵之介も良かったのですが、個人的には堤真一にやらせたかったですね。
神木隆之介、佐々木蔵之介、監督は〇之介つながりに拘ったのでしょうか?(笑)

昨今、上映時間が3時間超と長い作品が増えている中、2時間5分にまで切り詰めているのが気持ちいいです。
行間に滲ませるみたいな間をとってない、さっさとセリフて説明しちゃう。
謎も無い、考察の必要も無い、後腐れなくさっぱりと終わります。
劇場を出る時は、きれいさっぱり湯上がり気分です。
もしかすると、涙が枯れるほど、これでもかと泣かされたから、さっぱり湯上り気分なのかも知れません。

ラストは不気味で不穏な終わり方でしたが、それは仕方ないですね。
ゴジラの死体は、比喩的に放射性廃棄物ですから、処理には10万年が必要というメッセージです。

最後に私が指摘しておきたいツッコミどころは、水深1500メートルの海上の戦いのシーンです。
水深が深いわけだから、ゴジラは、泳いでいる姿勢をとっているわけです。
なのに、突然、ゴジラが立ち上がります。
立ち上がる姿勢が取れるためには、水深の浅い海底が必要です。
笑笑

老若男女、理屈抜きに万人に楽しめる、よく考えて作り込まれた作品です。
お見逃しないように、今すぐ劇場へ。

それと、まだ上映中の『ザ・クリエイター(創造者)』も観たので、それについても、後ほど追記します。

【11月23日】お待たせしました、追記です。
『ザ・クリエイター(創造者)』を観ました。→続きを読む
posted by eno at 23:13| 映画 | 更新情報をチェックする

2023年07月24日

君たちはどう生きるか

スタジオジブリ制作、宮﨑駿監督長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』を観ました。
例によって公開初日に鑑賞した友人(日本画家のS氏)から、最速で感想(ネタバレ無し)を聞き、世間の評判も耳に入れつつ、三日間やり過ごし、その間に心の準備を整えつつ、満を持して鑑賞してまいりました。
一発勝負!その1回しか観ていません。
それから一週間ほど経ちましたが、2回目は観なくても、完全謎解き解説が書けそうな感触を得たので、そろそろ書いてみます。
もちろん、完全ネタバレ解禁で書きます。
なので、既に映画『君たちはどう生きるか』を鑑賞した人だけが読む前提で、観ればわかる内容は省略して書きます。
未鑑賞の方が(自己責任において)お読みになるのも自由ですが、できればご鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

【警告】以下ネタバレあり!

オープニングシーンは、戦争中の東京です。
東京のどこなのか?
街の風景を見ると、東京の下町であることがわかります。
そして、この作品が、宮崎駿監督の自伝的な作品であることから、生家の飛行機工場が在った、墨田区亀沢町(JR両国と錦糸町駅の間)の近辺だと推定します。
この冒頭シーンの短い映像が、絵も上手い、動きも上手い、見せ方も上手い、文句なしに映画全体の中で、最もクオリティーの高い、最大の見せ場でした。

空襲で母親(ヒサコ)を亡くし、父親(ショウイチ)の工場も焼けてしまった牧一家は、ヒサコの実家の地方都市に疎開します。
ヒサコの実家には、ヒサコに瓜二つの妹のナツコがいて、ショウイチの再婚相手になり、既にお腹の中には子供がいます。
このストーリー展開は、ネットに書かれていて知りましたが、ジョン・コナリー著『失われたものたちの本』と、酷似しています。
ようするに、物語の下敷きになった原作本が、吉野源三郎著『君たちはどういきるか』ではなく、ジョン・コナリー著『失われたものたちの本』だった、ということです。
原作では、思春期のデーヴィッド少年と、継母ローズとの微妙な関係みたいなことが描かれているのだろうと思います(読んでいませんが)。
この映画も、そんな感じを、薄っす~く仄めかしています。
その性的な臭い、抑圧された恋慕の仄めかしは、いかにも厨二病なので、観る人の中の厨二度によって、感受の度合いも違ってくるんだろうなと思います。
厨二病的に見れば、この話しはエヴァンゲリオンみたいなのです。
眞人はシンジ、大叔父さんがゲンドウに見えるはずです。

ショウイチの工場も疎開先に移転します。
実際の宮崎駿監督の実家は、栃木県宇都宮市(工場は鹿沼市)に移転したので、この映画でも、疎開先の情景はそんな感じです。
しかし、安直にそこが宇都宮市だと決めてかかっていいのでしょうか?
その程度の読み解きでは芸がないです。
実は、作品の中に、読み解きのヒントになる地名が書かれた映像が仕込まれています。
そんな仕込みをしているのですから、ここは深読みをしてくれ、という監督からのご要望だと察するべきです。
私自身は、その映像を見逃していたのですが、ネットの情報により、何が書かれていたか知りました。
疎開先で走っていたバスの行先表示に、大沼町と書かれているそうなのです。
『となりのトトロ』でも、猫バスに行先表示が書かれていました。
ジブリ映画にとって、バスの行先表示は、重要な意味を持ちます、いたずらにいい加減な情報を書くはずがありません。
更に言えば、実際には、戦時中はバスに行先表示を出さなかったらしいのですが、それでもあえてこの映画では、それを書いて見せているのですから、重要な意味が示されているに違いありません。
ですから、この表示が在る事を知りながらスルーしてはダメです。
大沼町という地名は、何か所かあります。
『となりのトトロ』の舞台となった地域に近い東京の小平市にも大沼町がありますが、ここはあまり関係ないと思います。
『風立ちぬ』の舞台となった愛知県にも大沼町がありますが、ここもあんまり関係ないと思います。
北海道に大沼という湖があり、湖ってところは惜しいのですが、関係ないと思います。
残るひとつが、茨城県日立市にある大沼町です。
茨城県日立市は、栃木県宇都宮市にも近く、似たような感じの田舎町ですが、違いは、栃木県には海が無く、日立市は海に面している点です。
日立市は、戦争中には神風特攻隊の基地があり、ゼロ戦の工場も在った地域です。
大沼町は日立市の南で、最寄り駅は大甕駅です。
ですから、大甕駅からバスが出ていたとすると、行先が大沼町と表示されてるはずです。
なので、私の推理では、牧一家の疎開先は大甕町です。
では、大甕町にどんな意味があるのか説明します。
大甕には、映画『君の名は。』の聖地である、大甕神社があります。
どうして大甕神社が『君の名は。』の聖地なのか?というと、『君の名は。』の宮水神社のモデルとなった神社が大甕神社とされるからです。
この神社の御神体が、宇宙から降ってきた隕石だといわれています。
大甕とは、人間が住む領域と神が住む領域の境界を示すために埋められた大きな瓶(カメ)のこだそうです。
その瓶は、死者の埋葬にも用いられるそうです。
つまり、隕石が落ちて埋まっていて、それが大きな瓶で、お墓ってことです。
『君の名は。』の糸守湖は、隕石落下で出来たクレーターに水が溜まって出来た湖です。
その水が干上がったら、隕石が姿を現します。
疎開先のヒサコの実家にある大叔父さんの塔は、そんなふうに姿を現した隕石です。
茨城県には、菅生沼とか、白鳥が飛来する湖があります。
白鳥や渡り鳥が飛来する湖には『もののけ姫』に出てきた、たたらが来て住み着きます。
たたらとは、製鉄をして鉄器を作る加治屋のことです。
それらには、隕石が関係しているという説があります。
隕石は、隕鉄という鉄鉱石です。
なので、地磁気を頼りに飛ぶ渡り鳥は、隕鉄の発する磁気を目印に飛来すると考えられます。
たたら(加治屋)は、渡り鳥を目印に鉄を探したと考えられます。
大叔父さんの塔は、隕石であり、人間の世界と神の世界の境界であり、地下には別世界が埋まっていて、そこはお墓であり、海があり、鳥が集まってきて、加治屋がいます。
別の時間に繋がっていて、元の世界に帰ると夢みたいに忘れちゃう、という特徴もあります。
『君の名は。』で、夢は別の時間に繋がっていて、夢は、醒めると忘れてしまいます。
つまり、隕石が持っている不思議な力というのが、そういう力みたいなのです。
村上春樹の小説も、夢の中(脳の深いところに沈む別世界)と現実を行き来する物語です。
現実っぽいリアリズムの夢を見るか?ハチャメチャなファンタジーの夢を見るか?
人それぞれにどんな夢を見るかは、その人の無意識領域の想像力です。
そんな夢の世界を楽しめるかどうか、この映画の楽しさはそこに詰まっています。
子供は難しい理屈を考えないで、自由な空想世界を楽しみます。
そもそも漫画映画なんて、子供の心で楽しめばいいんじゃないでしょうか?

塔の地上部分は、壁面が全部本棚になっています。
これって、映画『インターステラ―』の5次元世界にそっくりです。
インターステラ―も時間を超えて世界が繋がっていて、少女がお婆さんになったりする映画でした。
大叔父さんの塔の中は本がいっぱいで、大叔父さんはものすごい読書家で、哲学者みたいな人なのだろうと思います。
天才的で狂人的な、見た目はニーチェみたいな風貌に見えました。
ニーチェといえば永劫回帰です。
永劫回帰とは、エンドレスのタイムリープです。
この塔のシステムも、そしてヒミの行動も永劫回帰に合致します。

地下世界にはセキセイインコとペリカンがいます。
どちらも日本には生息していません。外来生物です。
アオサギは、日本各地、田舎ならどこにも棲んでいる鳥です。
『もののけ姫』のたたらは、よそ者、渡来人であり、侵略者ですね。
インコも外来生物ですから、インコ帝国は侵略者ですね。
ペリカンは、高射砲で撃ち落とされる戦闘機みたいでしたね。
インコもペリカンも塔の外に出たら、茨城県の自然環境では生息できませんね。
アオサギは、茨城在住の地元の鳥で、何故か塔に出入りできるんですね。

大叔父さんは、12個の積み木を積んで、頭の中の空想世界のバランスを保っています。
しかし、大叔父さんもそろそろ自分の限界を感じ、後継者を必要としています。
ところが、何故か後継者は大叔父さんの血を引く者がなるというルールがあります。
この映画は、随所に訳の分からないルールがあって、あれをしてはいけないとか、これをしなければいけないとか。
だけど、眞人はことごとくそれらのルールを守らず、禁を犯してしまいます。
そして、結果的には、何事も起こりません。
どのルールも、形骸化した呪縛にすぎません。
世間的には当たり前に思っているルールでも、そんなものに意味は無いのです。
大叔父さんの血を引く者は、眞人と、もう一人、ナツコから生まれて来る弟です。
宮崎駿監督が、自分の孫のためにこの映画を作ったと言っています。
ですから、この部分に込めたメッセージには、大事な意味があります。

ラストは、夢の世界から元の世界に帰還します。
普通、夢が醒めるとその記憶は消えてしまうのですが、眞人は覚えています。
それは、眞人は、ポケットの中に、地下世界の石を一つ隠し持っていたからでしょう。
そして、終戦からしばらく経っているのでしょうか、弟も産まれていて自分で立って歩くくらいに育っています。
牧一家は、何事も無かったかのように東京にもどるってところで、終わりです。

私の感想です。
お父さん(ショウイチ)は、終始嫌味なだけで終わってしまいました。
悪い人ではなく、家族を思って良かれとおもって行動しているのは理解できるのですが、好きにはなれません。
そんなキャラにはそんなキャラなりの良いところを、どこかで見せてほしかったです。
最後には、ショウイチのことも少しは好きになれるように。
それが無かったので、めでたしめでたし、とは思えません。

この映画がわかりにくいと言われる理由は、全体を通した物語の背骨が無いというか、在ったとしてもばらけていて、あれこれあるけれど、どの要素も一繋がりに全体を貫いていない、背骨じゃなくて小骨です。
だけど、キラキラ輝く小骨もありました。
一番楽しくてワクワクしたシーンは、わらわらの登場シーンです。
かわいかったですね(笑笑)
他にも楽しいシーンはたくさんあって、それぞれに面白かったです。
宮崎監督も、ストーリーではなく、シーンがよければいいみたいなことを言っています。
だったら、もっとそういう見せ方、作り方ってあると思います。

私だったらどう作るかというアイデア。
一貫したストーリーのある長編ではなく、短編集として一本に纏めて見せる手法です。
宮崎監督が積み木の数を12個にしたのは、自分のこれまでの監督作品が12本であるからかも知れません。
だとすると、10分程度の短編を12本並べれば、120分の映画を作ればいいですね。
だけど、12に細分すると、散漫になって飽きちゃうかも知れません。
12に拘らなければ、20分程度を7本にすれば、140分くらいで、ちょうどいいですね。
短編はそれぞれに独立した内容で、アニメーターチームも変えて、画風も変わります。
ストーリーはどうでもよくて、それぞれがミュージックビデオのように、印象的なシーンを表現していればいいのです。
だけど、通して全部を見ると、それらに関連性が見い出せるような作りにします。
積み木のように、積み重ねて形を作り、積み方を変えて見ることもできます。

結論としては、あれこれ文句をつけながらも、面白かったし、見て良かった、と思います。
特に劇場の大画面や音響システムで見る必要性も感じなかったので、2回目の鑑賞は配信(DVD)を待ちます。

大甕神社.jpg

【追記】

一応、疎開先が、宇都宮の隣の鹿沼であった場合の読み解きも書いておきます。
鹿沼には、中島飛行機工場があって、そこに宮崎駿の父親の工場も疎開したと考えられます。
この工場が、大谷石を採掘した地下空間に作られた秘密基地のような工場だったらしいのです。
それが、大叔父さんの地下世界や、不思議な力を持った石のイメージに繋がりますね。
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posted by eno at 00:07| 映画 | 更新情報をチェックする

2023年04月12日

シン•仮面ライダー

映画『シン•仮面ライダー』を観ました。
公開3日後に観たのですが、世間の反応が賛否両論で荒れていたので、レビューをアップするのは、落ち着くまで待っていました。
私の主観的な感想としては、楽しかったです。
しかし、客観的には、ツッコミどころ満載です。

冒頭、カーチェイスから戦闘に流れ込んでいくシーンは、劇場の大スクリーンで観るべき迫力満点の映像で、ツカミはOKです。


この後に続くクモオーグとの戦闘もカッコよかったです。
✳︎ 4月16日までTVerで観られます。

クモオーグまでは良かったのですが、その後から、アレ?って感じになっていきます。
稚拙だったり、的外れだったり、期待外れでガッカリするシーンを連発します。


しかし、それでも、この映画を映像的に支えて、作品を押し上げているのが、主演女優です。
浜辺美波が演じる緑川ルリ子が、実に美しく魅力的に描かれています。


要するに、この映画は緑川ルリ子(浜辺美波)にキュンキュンするための映画なのです。
だから、それで満足を得られた人々にとっては素晴らしい名画なのです。
私の結論は、それに尽きます。

そんなわけで、私が選ぶ、女優が魅力的な名画ベスト10。
日本映画ベスト5と、外国映画ベスト5で発表します。

日本映画
第5位
シン•仮面ライダー 2023 浜辺美波



第4位
モテキ 2011 長澤まさみ



第3位
明け方の若もたち 2021 黒島結菜



第2位
がんばっていきまっしょい
1998 田中麗奈



第1位
寝ても覚めても 2018 唐田えりか




外国映画
第5位
トップガン 1986 ケリー・マクギリス



第4位
ターミネーター
1984 リンダ・ハミルトン



第3位
キック・アス
2010 クロエ・グレース・モレッツ



第2位
レオン 1994 ナタリー・ポートマン


第1位
ブレードランナー
1982 ショーン・ヤング



でした。
結果的に、女優縛りじゃなくても、私の好きな映画ランキングとほぼ同じになりました(笑)
だったら、映画って女優を見せるためのものなのでしょうか?
いえ、もちろんそれは一面的な見方であって、映画にはもっと多面的な魅力が有ります。
だけれども、その映画作品に恋しちゃう感じってありますよね。

✳︎ ネタバレ→ 続きを読む
posted by eno at 15:02| 映画 | 更新情報をチェックする

2022年12月24日

アバター ウェイ・オブ・ウォーター

クリスマスを目前に『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』を観てきました。
最新の3D映像の素晴らしさを堪能してまいりました。



IMAXレーザー3D字幕、本編上映時間3時間12分

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座席は中央のやや前寄りのF15、F16、ベストポジションです。
IMAXシアターは、スクリーンを見下ろすような傾斜角度が大きい座席配置になっているので、スクリーンの下の方に表示される字幕は、前寄りの座席のほうが見下ろしが少ないので読み易いです。
IMAXのスクリーンは湾曲凹面になっているので、スクリーンに近づいても周辺視野の歪みを感じません。
映像に包み込まれる感じになります。

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基本的なことですが、IMAXのスクリーンと通常のスクリーンでは、アスペクト比(縦横比率)が違います。
通常のスクリーンではトリミングされてカットされてしまう上下の映像が、IMAXのスクリーンには全て映ります。
そして、高精細で明るい画質によって3D効果が際立ちます。

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3D偏光グラスも、IMAX用はサイズが大きめで見易いデザインになっています。

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IMAXは、ドルビーアトモス音響システムで、立体音像による臨場感と重低音の大迫力を体感できます。

もちろん、通常スクリーンであっても、ハイフレームレート4Kに対応した上映機材のクオリティがあれば、作品の魅力を十分に楽しめます。

3D映像の特徴として、くっきり鮮明に映っている映像は3D効果がハッキリ見え易いのですが、ぼやけたりブレたりした映像は見えにくいのです。
だから、ハイフレームレート高画質であれば、3D映像は自然に見えます。
しかし、映画の宿命的なところで、動きが速い映像はブレたりボケたりしてしまうのです。
ですから、空気中のアクションでは、どうしても動きが速くなってしまいます。
なので水中の動きはスローモーションのようにゆったりしますから、3D効果を発揮するのにうってつけなのです。
今回の作品も、序盤は前作と同じような映像が続きますが、物語の舞台が海に移ってから、目を見張るような素晴らしい映像世界へと引き込まれていきます。

ストーリーは、皆さん既にご覧になっている『アバター』第一作目の続きとして始まります。
そもそもアバターは第一作目のクライマックスで、SF考証が破綻した終わり方をしていました。
しかし、それで終わり、完結したと思ったので、深く追求(追及)せずスルーして忘れていました。
ところがどっこい、その破綻した矛盾を回収することなく、それどころか、悪用?(笑)する感じで、物語はとんでも展開でスタートします。

ですから、こちら側も開き直って、鷹揚に受け入れて、エンターテイメントとして、スペクタクルを楽しめばいいのです。

ネット上では、めくじら立てて批判的なレビューを書いている人々も多いようですが、めくじらなんかやめて、クジラと仲良く遊んでください。

具体的に何か書こうとすると全部ネタバレに繋がってしまうので、ここでは書きませんが、ドラマチックで感動的な内容です。
ハンカチのご用意をお忘れなく。

スキューバダイビングとか好きな方、絶対におすすめです。
可能なかぎり、IMAXレーザー3Dでのご鑑賞お勧めします。
posted by eno at 19:05| 映画 | 更新情報をチェックする

2022年12月04日

明け方の若者たち / ある夜、彼女は明け方を想う

アマゾンプライムビデオで、映画『明け方の若者たち』と、
スピンオフ映画『ある夜、彼女は明け方を想う』を観ました。

『明け方の若者たち』


『ある夜、彼女は明け方を想う』


『明け方の若者たち』はDVDが出ていますが、『ある夜、彼女は明け方を想う』は配信だけなので、ネット配信で併せて鑑賞をお勧めします。

主演は北村匠と海黒島結菜、
監督は松本花奈です。

順番的には、先ず『明け方の若者たち』から観てください。

冒頭、就職が決まった学生の飲み会、男女が出合う、恋が始まる。
序盤は映画『花束みたいな恋をした』と、とてもよく似ています。
それと映画『劇場』(又吉直樹原作)も、ちょっと入ってます。
これらは、似ているというよりオマージュなのかも知れません。
もちろん、後半からは違う展開になる、とだけお伝えしておきます。

この映画、どこがいいのかというと、先ずは主演の二人です。
映画『とんかつDJアゲ太郎』の北村匠海と、
朝ドラ『ちむどんどん』(観てないけど)の黒島結菜と

恋愛が育っていく過程からピークへと…(ラブシーン多目)。
この二人、すっごくチャーミングなんです。
観ていて、気持ちが入ってくというか、連れて行かれるというか…

そして、ロケ地です。
明大前で出合って、
下北沢でデート、
高円寺に住んで…
私にとっても思い出深い、馴染みの街が物語の舞台です。

最初に『明け方の若者たち』だけを見終わった段階では、ストーリー展開や結末に、もやもやした物足りなさを感じるんです。
特に、黒島結菜ちゃん演じる彼女の身勝手さに納得がいかないとか。

そこで、すかさず『ある夜、彼女は明け方を想う』を観てください。
そうすると、今度は彼女視点でもう一度ストーリーをふり返ることができます。
彼女の気持ちが少しわかってくると、こっちはこっちでまた身勝手だったり、納得いかない人物が出てきたりするんです。
そうしたら、またもう一度『明け方の若者たち』を観てください。
繰り返し観たくなる映画です(繰り返し見たいシーン多目)。

太陽が繰り返し昇るように、人生のマジックアワーも一度きりじゃないですよ。
だから、ハッピーエンドではないけれど、バッドエンドでもない。
posted by eno at 17:14| 映画 | 更新情報をチェックする