先週のポスト『カラオケ行こ!』と同様に、人気漫画を実写映画化した作品です。
原作漫画、野田サトルの『ゴールデンカムイ』ファンなので、実写化映画もどんな作品になるのか楽しみにしていました。
観た感想ですが、例によって結論から先に言うと、とても面白かったです。
しかし、不満点といいますか、いくつかの問題(懸念)点があります。
原作漫画は、単行本で全31巻あります。
連続テレビアニメ化(30分番組)もされていて、現時点で49話まで放送されています。
私は、漫画を全巻読みましたが、アニメは観ていません。
聞くところによると、30分アニメ49話で、単行本25巻くらいのところ(まだ途中)だそうです。
このように、原作は、とても長い物語なのです。
今回の映画も、アニメ同様に、原作漫画に、ほぼ忠実に映像化されています。
つまり、映像1時間で1巻のペースなので、2時間ちょっとの今回の映画を単行本に当て嵌めると、2巻までと、3巻の冒頭が少しのところで、計算通りに、その辺りで終わっています。
だとしたら、計算上では、完結するまでに、2時間の映画で15本になります。
原作を知っていて観たのですから、最初からわかっていたことではあります。
だけど、こんな序盤でプツッ!と終わってしまうとは…
まだ、この先どうなるのかは発表されていませんが、ポストクレジットの映像を見るかぎり、既に続編が制作されているようです。
実際問題として、この漫画は、冒頭のほうは万人にわかり易い面白さなのですが、中盤からは、変態趣味が色濃くなり、ストーリーも複雑化してわかりにくくなります。
私も、中盤はよく理解できていないまま読み飛ばして進んでいた感じです。
なので、映画化の脚本では大幅に省略されて、一気に完結に向かうかも知れません。
では、映画化第1作目を観た感想を詳しくお話しします。
まず、実写化がとても上手くいっています。
不死身の杉本の戦闘シーンが、大スクリーンの劇場で観ると、迫力が凄いです。
北海道の大自然の中でのロケも美しいし、明治時代のセットも、アイヌの集落もよく再現されています。
そして、この物語で重要な動物たちの映像ですが、熊も狼も栗鼠も見事なCGで、リアルに映像化されています。
原作漫画と少し違うところがあるとすれば、アシリパ(アイヌの少女)の年齢が、どれくらいに見えるかです。
漫画では、大人っぽく振舞うけれど子供で、おそらく12歳くらいの設定です。
映画では、子供っぽく見えるけれど大人で、少なくとも女子高生以上の年頃に見えます。
私は、実写化は原作とは別作品として解釈するので、キャスティングに合わせて人物像は変えたほうがいいと思います。
アシリパの目は、黒目の周りが青いのですが、山田杏奈さんの顔は、それがとてもよく似合っていて綺麗です。
私だったらこうする!アイデアは、もっとアイヌ文化の紹介をしたい!です。
原作漫画を読み始めて、一番面白いと感じたのは、アシリパさんが、アイヌ文化を解説する部分だからです。
そこのところを省略して欲しくなくて、逆に膨らませて欲しいのです。
いずれにせよ、この先も原作通りに映像化していくとなると、ちょっと付き合いきれない、かな?
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