2023年06月06日

街とその不確かな壁2・勝手に脳内映画化

私は小説を読むとき、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を想像しながら読んでいます。
可能な限りリアルに、脳内(想像)で映画化しています。

前記事では村上春樹著『街とその不確かな壁』のレビューを書きました。
今回は、勝手に脳内映画化して、その仮想ロケ地の聖地巡礼情報を書きます。

第一部・第1章
オープニングシーンは、ぼくが住む街。
若いぼくときみが、川沿いを散歩しながら、想像上の街の話を始めます。

ぼくが住む街は、小説には地名が書かれていませんが、おそらく愛知県豊橋市だと分析しました。
オープニングシーンは、豊橋市の音羽川堤をロケ地にしたいと思います。

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第一部・第2章
きみが住む街に行きます。
きみが住む街も、小説には地名が書かれていませんが、おそらく愛知県名古屋市だと分析しました。
にぎやかな市街地の様子は、名古屋駅付近の高層ビル街を撮影したいと思います。

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きみの街で二人がデートするシーンは、名古屋市ではなく、あえてロケ地を変えて茨城県つくば市で撮影したいと思います。

公共の植物園は、つくば国立科学博物館実験植物園で撮影したいと思います。

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植物園の筑波大学側に大きな温室があり、通りを渡って隣の筑波大学の敷地に入ると、静かなカフェがあります。

サザコーヒー筑波大学店。

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コーヒーと、林檎のタルトを注文します。

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第一部・第3章
想像上の街のシーンです。
壁に囲まれた街の周りは林檎の林で、冷涼な地方のようです。
映画撮影なら、殆どがセットとCGをを組み合わせて映像化するしかありません。
着想のヒントになったかもしれないドイツのネルトリンゲンは、遠すぎて聖地巡礼に行くのは難しいです。
なので、国内で聖地になりそうなところを探してみましょう。
小説を読みながらイメージした煉瓦の壁に囲まれた街は、刑務所です。
たとえば、奈良少年刑務所(旧奈良監獄)のような。



壁に囲まれた街は、北に一箇所だけ門があります。
街の中を川が流れていて、南の溜まりから、外に脱出することができます。
その条件に合致しているのが前橋刑務所です。
北に門があり、西の塀に沿った川が南に流れていきます。

前橋刑務所
映画『影踏み』のロケ地。




第一部・第11章
「ぼくらは地下鉄の駅の近くの、小さな公園で待ち合わせている」とあります。
その公園には、いくつかの遊具と、水飲み場と、藤棚の下にベンチがあります。
どこの街にでもある、ごく平均的な児童遊園です。
なので、皆さんが、自分が住む街にいくつかある公園を想い浮かべればいいのです。
私が選ぶのであれば、東京メトロ東西神楽坂駅に近い、新宿区立白銀公園です。
私にとって、子供の頃よく遊んだ、馴染み深い、思い出がいっぱいの公園です。
この公園は、そんなに小さくありませんが、藤棚の下のベンチが感じいいです。

第一部・第19章
ぼくは、地元の大学ではなく東京の私立大学に進学します。
地元の大学は名古屋大学東山キャンパス文学部、東京の私立大学は早稲田大学早稲田キャンパス文学部

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早稲田カフェ.jpg

ぼくは新宿区のアパートに住み始めます。
名画座は、今はもう無い神楽坂(飯田橋)の佳作座
都営プールは、新宿区立ならば、新宿スポーツセンターですが、都営ならば、千駄ヶ谷の東京体育館屋内プールです。

第一部・第25章
壁に囲まれた街の、南の溜まりに行きます。
溜まり(沼)に雪が降っています。
冬の五色沼(福島県)を想像しました。

第二部
福島県のZ**町に行きます。
この町は、福島県の南会津町で決まりです。

南会津町に実在する町営図書館は近代的な建物です。
古い酒蔵の木造建築であれば、会津酒造があります。
しかし、あえてロケ地を変えて、会津若松市の会津酒造歴史館の建物で撮影したいと思います。

【追記】友人からの情報ですが、古い木造二階建ての図書館として、滋賀県にある江北図書館が、雰囲気があって、Z**町図書館の参考になっているのではないか?と思いました。
洋風建築ではありますが、玄関が引き戸という条件は合っています。
これに似た二階建て洋風木造建築として、南会津町には旧南会津郡役所があります。
洋風建築といっても、裏手のほうは和風の趣があります。
それから、南会津町にある和泉屋旅館も、図書館のイメージの参考になっていると思います。
また、壁に囲まれた街にも図書館が登場します。
これという特徴が無い、古い石造りの建物と書いてありますね。
入り口は重い木製のドアで、入ると天井が高いそうです。
部屋は木製のドア、すり減った杉材の床板、縦長の窓に曇りガラス。
2つの図書館、壁に囲まれた街は古い洋風石造りで、Z**町は古い酒造で和風木造り。
そして、参考までに、酒蔵を図書館にしようというクラウドファンディングもあります。

Z**町の名前のない喫茶店は、南会津町にある CAFE JI MAMA です。
ブルーベリーマフィンは、会津若松市のユーフォリアというお店で食べられます。

子易さんのお墓はどこでしょう?
町外れというより、少し離れた大内宿の法正寺の石段を上がると、子安観音堂があり、その裏手に墓地があります。
あるいは、町外れに、真言宗常楽院に、子安観音堂のマリア観音があり、その裏手にも墓地があります。
しかし、常楽院には、石段がありません。

本を片手に、これらの聖地を巡ってみるのも楽しいでしょう。

勝手に脳内キャスティング

小説の登場人物を、知っている俳優で例えたら誰みたいだと想像しながら読んだか?

主演の『ぼく』と『私』は、既に全記事に書いたように、板東龍汰と西島秀俊です。

1歳年下の彼女『きみ』は、第4章26ページに、その特徴が書かれています。
『きみはとても美しい少女だった。少なくともぼくの目にはそう映る。小柄で、どちらかといえば丸顔で、手の指がほっそりしてきれいだ。髪は短く、切り揃えられた黒い前髪が額にかかっている。丁寧に吟味された陰影みたいに。鼻は真っすぐで小さく、目がとても大きい。一般的な顔立ちの基準からすれば、鼻と目の均衡がとれていないということになるかもしれないが、ぼくは何故かその不揃いなところに心を惹かれる。淡いピンク色の唇は小さく薄く、いつも律儀に閉じられている。大事な秘密をいくつか奥に隠し持つみたいに。』
目が大きい美少女であれば、桜田ひよりです。



『門衛』役は、怖いイメージなので、顔が怖い、山西惇です。



Z**町図書館の『添田さん』役は、眼鏡をかけた、いくぶん骨ばった顔立ち、鼻が小さく薄い、髪を後ろで束ねたている、30代半ば、さっぱりとした顔立ち、知的な印象、身長160センチ、細身、姿勢がよく、背筋が伸びて、歩き方がきれい、学生時代にバスケの選手、という条件から、仲間由紀恵しか思いつきません。



幽霊の『子易さん』役は、穏やかなバリトンの声、肥満気味の老人、という条件で、小野武彦です。



『喫茶店の女主人』役は、30代半ば、ほっそりした体、とりたてて美人でもない、という条件では想像が難しいのですが、読んでいて何となく、瀧内公美をイメージしました。



『イエローサブマリンの少年』役は、デビュー当時の初々しい神尾楓珠をイメージしました。



そして、映画化するのだとしたら、音楽が必要です。
小説の中に音楽が出てきて、その曲名が書かれている場面は、それを挿入曲にします。
例えば、初めて名前のない喫茶店に入ったときに、店内に流れているBGMが、デイヴ・ブルーベック カルテットの Just one of those thingsであったり。



別の日、喫茶店では様々なジャズの名曲が聴こえてきます(ここでは省略)。

部屋でシーツにアイロンがけが終わって、FMラジオから流れてきた音楽が、イ・ムジチ合奏団のヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲であったり。



別の日、アイロンがけをしている時に聴こえてくる美しいメロディーが、ボロディンの 弦楽四重奏曲だったり。

そして、テーマ曲、サウンドトラックは、どんな音楽がいいでしょう?
※つづく(追記)→ 続きを読む
posted by eno at 19:14| 読書 | 更新情報をチェックする

2023年06月05日

ねこ様々

えのきえみ・榎俊幸 二人
『ねこ様々』6月1日(木)~11日(日)まで。
ギャラリー猫町(東京・谷中)11:00~18:00
5日(月)6日(火)7日(水)は休廊します。
後期は、8日(木)〜11日(日)まで。
11:00~18:00(5日6日7日は休廊日)
最終日は17:00まで。
榎俊幸の絵画、水彩画、水墨画。
えのきえみの漆器、アクセサリー、フィギュア。
その他グッズ。
好評販売中です。

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