2020年09月25日

恐竜が教えてくれたこと

映画「恐竜が教えてくれたこと」のDVDを観ました。



結論から先に言うと、とても良い映画でした。
文部科学省推薦、ってところにも納得できる内容です。
思春期の子供達が観るといい映画だと思いました。

この映画の題名には「恐竜」とありますが、映画に恐竜は出て来ません。
主人公のサムが、恐竜の絶滅について考えていて、一番最後の恐竜は、自分が一番最後の恐竜であることを自覚していたのか? という疑問を抱き、孤独について考え始めます。

ロケ地は、オランダのテルスヘリング島です。
特に映像的に凝った撮影はしていませんが、自然そのものが語りかけて来る感じです。
前半は坦々とした感じで流れて行きますが、クライマックスで畳みかけるように物語が展開していきます。
posted by eno at 15:43| 映画 | 更新情報をチェックする

2020年09月19日

ミッドウェイ

映画「ミッドウェイ」を観ました。

昼に立ち寄った西武デパートの屋上から街を眺めると、白いサンシャイン60と並んで、黒いビルが建っていました。
そこにTOHOシネマズ池袋があります。
今回初めて行きましたが、とても良い劇場でした。
平日の昼間でしたが、おじさん客がそれなりに来ていました。

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結論から先に言うと、絶対に劇場で観てください。必ず!!
記録資料を基に忠実に再現した戦闘シーンの迫力は、これまでに観た全ての戦争映画(SFも含めて)をぶっ飛ばす(無かったものにして塗り替える)大迫力の臨場感です。
ストーリー的には、面白いか、面白くないか、好みが分かれると思いますが、この作品は、細部に至るまで、史実に忠実に、実話(実在の人物、実際のエピソード)だけを物語化しているので、ストーリーに不満があっても、近代史の勉強だと思って観てください(一部に見解の相違を含みますが)。



この映画を観るにあたって、思い出したのが、2011年の日本映画、役所広司主演『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』です。



その映画(山本五十六)は、2012年1月1日に、劇場で観ました。
上映中、ちょうど山本五十六が殺される(米軍戦闘機に襲撃される)シーンで、劇場が激しく揺れました。映像が切れて真っ暗になって、しばらく上映が中断されました。
東日本大震災の大きな余震でした。

映画の内容的には「山本五十六」と「ミッドウェイ」は、ほぼ同じ内容を、別の視点から描いています。
日米開戦の真珠湾攻撃から、ミッドウェイ海戦までが、物語の中心です。
日本映画の「山本五十六」では、山本五十六の死と、その後に、東京大空襲や広島長崎の原爆投下を経て日本が敗戦(終戦)までが付け加えてあります。
アメリカ映画の「ミッドウェイ」では、ミッドウェイ海戦までで話を終わらせています。
また「ミッドウェイ」では、真珠湾攻撃に対する報復として、米軍による最初の日本本土空襲「ドーリットル空襲」という、特攻(片道攻撃)が描かれています。東京を空襲した作戦機が、日本の占領下にある中国に不時着します。

この映画の制作費には、スポンサーとして中国からの資金が多く入っているらしいのです。

アメリカで公開された「ミッドウェイ」では、ドーリットル空襲の米軍爆撃機が着陸したとされる中国の空港を狙って、日本軍が、中国本土に不時着したB25爆撃機の搭乗員を中国民衆が救出したことの報復として、爆撃をして、25万人の中国人を虐殺したとの字幕が登場するそうです。

しかし、日本公開では、その部分のテロップはカットされています。
日本側の見解では、そのような歴史解釈は、中国による捏造されたプロパガンダであり、事実とは大きな齟齬があるとされているからです。
たしかに、25万人を虐殺したという数字は、間違いかも知れません。
だとしても、日本軍による報復が、全く無かったとも証明できません。

この映画では、米国によって石油を止められ、追い詰められた日本軍による真珠湾の奇襲攻撃から始まり、それに対する米軍の報復がドーリットル特攻による日本本土無差別爆撃であり、またそれに対しての報復が日本軍による中国への爆撃となり、それらの「負の連鎖」がこの戦争の本質である、という解釈です。そして、日米の勝敗を決する運命の戦いが、ミッドウェイ海戦です。

戦争には、一方的な正義も悪も、勝者も敗者も無いのです。

いずれにせよ、日本人の立場からすれば、見ていて悔しく、辛い気持ちになります。
たとえば、映画「スターウォーズ」を共和国軍の立場ではなく、帝国軍の立場で観るようなものです。
実際に、太平洋戦争当時は、アメリカは共和国であり、日本は「大日本帝国」ですから。

映像的な演出も、スターウォーズを意識(オマージュ)しているところが感じられます。

物語の牽引役となる主人公的な立場の登場人物が、ディック・ベスト 大尉(エド・スクライン)です。
スターウォーズに喩えるのならば、彼がルーク・スカイウォーカーです。
そういうことになると、山本五十六(豊川悦司)がダースベイダーになってしまいますね(^_^;)

役者たちが皆いいです。戦う男の色気があります。

アメリカ映画なのですが、山口多聞 少将(浅野忠信)が、艦(飛龍)と運命を共にするシーンは、泣きます。
ハンカチが必要です。

ご意見は色々あるでしょうが、音と映像は必見! お見逃しなく。
劇場での鑑賞を、強くお薦めします。









posted by eno at 15:26| 映画 | 更新情報をチェックする

2020年09月15日

トスカーナの幸せレシピ、他

★映画「トスカーナの幸せレシピ」のDVDをました。



喧嘩っぱやいれど料理の腕前は一流のイタリアンシェフと、絶対味覚を持つけれどアスペルガー症候群の少年が出会って、料理コンテストに挑戦するお話です。
男性ホルモンが強い野性的な男の体臭と、イタリアンハーブの香りが、映像から漂ってくるような映画です。
マンジャーレ! アモーレ!

★それと、映画「ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を」のDVDをました。



ちょっと変わったコメディー映画です。
音声はありますが、台詞はありません。
だから、字幕スーパーもありません。
ストーリー展開は、無声映画と同じような手法で描かれますから、誇張された演技と、暗黙の了解と、抒情的な映像詩で表現されます。
言葉で説明しない分、むしろこれこそが映画の本質と言えるでしょう。

もう一作、話題の韓国映画のDVDを観ました。

※ その作品とは(ネタバレを含む追記)⇒続きを読む
posted by eno at 15:48| 映画 | 更新情報をチェックする

2020年08月26日

寝ても覚めても

引き続き、ステイホームでDVD鑑賞してます。

映画「寝ても覚めても」と「ラストレター」のDVDを観ました。
「寝ても覚めても」は、2018年の映画ですが、原作小説は2010年です。
映画では、東日本大震災が描かれていますが、原作が書かれたのは、震災の前です。



主演は、唐田えりかさん、東出昌大さん。
東出さんは一人二役です。
東出さん演じる「麦(バク)」は、ドラマ(漫画が原作)の「凪のお暇」に出てくるゴンにそっくりです。
クラブでDJをやってるシーンとか、ゴンかと思っちゃいました(笑)
もう一つの役「亮平(りょうへい)」は、その正反対のタイプです。
唐田さん演じる「朝子(あさこ)」は、現実の唐田さんと、非現実の朝子が重なって、唐田さんは、あの作品の中に閉じ込められて、出て来られなくなっちゃったみたいな感じです。
今、どこでどうしているのでしょう? また、映画やドラマに戻って来て欲しいです。

この映画は、現実的なようで、すごく幻想的で「死」とか「あの世」みたいなメタファーを感じます。
東日本大震災は事実だし、見る我々にとって現実の出来事です。
でも、現実なのだけれど、逆に非現実的です。
朝子と亮平は、たくさんの人々が死んだ仙台に、ボランティアに行くのですが、なんだか、仙台があの世みたいな感じがするのです。
そして、朝子も麦も、まるで幽霊みたいな感じがします。
突然姿を消したり現れたりする麦は、朝子にとって亡霊と同じようなものですから・・・

川というメタファーもそうです。あの世や、輪廻転生のメタファーです。
友達がALSになったり、友達に子供が産まれたり、そういうこともみんな・・・

冒頭のほうのバイク事故も、実はあの事故で二人とも死んでた、みたいなオチにもなりそうな死のメタファーです。

麦と朝子が出会ったのは川で、別れたのは海です。
この作品のストーリーに、なぜ東日本大震災が必要だったのかと考えます。
たとえば要素として、原発事故は必要無いけれど、あの世とこの世を隔てるような防潮堤は必要だったのです。
夜の高速道路を走ることも必要な要素「高速おりたん?」というセリフとか・・・

映画は、原作小説とかなり解釈が違っているみたいです。
映画は、映画のみで解釈したほうがよさそうです。
小説は、朝子の一人称(主観)で書かれているようです。
映画では朝子も含め、全体が客観的に描かれています。
小説も読んでみたくなりました。


「ラストレター」もおすすめの作品です。



広瀬すず森七菜姉妹の映像が無敵です。

今は誰でもスマホを持っていてSNSで連絡できる時代ですから、手紙のやりとりですれ違いを作ることがこのストーリーの肝です。
姉と妹を勘違いとか、無理やりな(都合よすぎる)ところもあるけれど「隔たり」があって「繋がり」がある、って感じです。

しかし、おそらく監督は、それほどストーリーに重きを置いていなくて、辻褄が会わなくならなきゃいいくらいで、ご都合主義を弛く使っています。
この作品の中で、渾身の力を込めて撮ったのが、水を抜いたプールで、浴衣の姉妹が花火をするシーンです。
ストーリーと全く関係ないサービスカットですが、あれが撮りたかったのでしょう。
セルフオマージュです、浴衣も、プール&花火も。

犬の面倒みさせられて「罰を受けてる」と言うシーンが、心温まります。
ラストレターでは犬、寝ても覚めてもでは猫、どちらも世話を押し付けられます。
あの犬は見た目派手で、インパクトあったけれど、猫の演技力で濱口監督が勝ち(笑)
ちなみに、福山雅治勝負では是枝監督が勝ちだけど、広瀬すず勝負では岩井監督が勝ち(笑)
posted by eno at 12:17| 映画 | 更新情報をチェックする

2020年06月11日

プロジェクトぴあの

ステイホームで読書をしました。
山本弘 著「プロジェクトぴあの」(早川文庫、上巻・下巻)。
近未来SF小説です。

先ずは、ネタバレしない程度にあらすじを書きます。

語り部役の少年「すばる」と、主人公の少女「ぴあの」が、2025年の秋葉原で出合います。
すばるは、心も体も男性で、服装とメイクだけ女装する、いわゆる「男の娘」。
ぴあのは、女の子で、アイドルグループの一員。二人を結ぶ共通点は、科学。
すばるは、大学で電子工学を専攻していて、ぴあのは、独学で量子物理学を学んでいます。
しかし、ぴあのの場合は、単なる趣味の科学オタクなんかではありませんでした。
ぴあのには野望がありました。それは、宇宙に行くこと。
それから、いろいろあって、10年後の2035年までの物語です。

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秋葉原、アイドル、オタク、テクノロジー、科学、政治、宗教、宇宙・・・
近未来の世界がどうなっているのか、面白い要素がいっぱいです。

SFは、科学的な嘘を書くことで成り立つ物語なのですが、山本弘さんのSFは、その嘘が、SFのお約束としての嘘ではない、本当に立証可能な仮説なんじゃないか? と思わせるくらい、科学的(論理的)に説得力があるのです。物語の中盤に「みらじぇね」というエントロピー(熱力学第二法則)を破る発明品が登場します。つまり、エネルギーは、不可逆的に分散していくわけですが、それが逆行する装置です。そういう理論構築が面白いのです。

今、現実の世の中では、新型コロナウィルスが猛威をふるっています。
この物語では、2031年、地球に、大事件が起きます。
科学技術で築き上げた、現代の社会インフラに、大転換が起きる自然災害です。
ネタバレになるから詳しくは書きませんが、そのヒントは「コロナ」です。

物語の終盤、エンジニアとして登場する人物の名前が「榎」です。
それなりに重要な良い役で登場させていただいています、ありがとうございます(^^;)

もちろん、結末はネタバレになるから、何も書けません。
しかし、物語でもヒントとして書かれている「サイハテ」の動画を貼っておきます。


 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 

posted by eno at 17:05| 読書 | 更新情報をチェックする